今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」111話を読んだので紹介します。

この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
↓↓↓

声なきものの唄 111話 あらすじ
前話ネタバレはこちら
↓↓↓

声なきものの唄 111話 ネタバレ
藤富のおトウさんが倒れたという知らせは、東陽楼のみならず、養女となっているチヌのもとにも届けられました。
慌てて入院先までお見舞いに駆けつけたチヌは、そこで、藤富のおトウさんが倒れてしまったのは、東陽楼の今後について横上と話し合ったところ、意見の相違により言い争いに発展し、その結果興奮しすぎて頭に血が昇ったせいであることを知らされます。
東陽楼を格式と伝統ある高級店から「薄利多売」の見世に生まれ変わらせようという横上の方針は、やはりチヌにとっても受け入れがたいものでした。また、横上に対する評判もあまり良くないらしいと聞いたチヌは、そんな楼主の下で働く美蝶をはじめとした東陽楼の妓たちのことが心配になり、公三郎の許可を得たうえで東陽楼を訪ねることにします。
急な訪問になってしまったものの、チヌのことを慕っている美蝶はもちろん彼女を歓迎しました。また、「千鳥太夫」とは会ったことがなかった妓たちも、差し入れとして若水家のコック特製のウエハースやクッキーを持って行ったおかげか、好意的にチヌのことを受け入れます。
美味しい西洋菓子を共に味わいながらしばらく美蝶と話した後、チヌはおクマにも会いに行き、彼女からも横上について話を聞きました。
おクマによれば、妓たちに出される食事は以前よりずいぶん質素なものへと変えられてしまったそうです。さらに女中も減らされたらしく、掃除が行き届いていないどころか、装飾品までなくなったり安物に変えられていました。
そのうえ、横上と冴路がかなり親密な様子で身を寄せ合っている姿まで目撃してしまったチヌは、彼らの所業に対する憤りを隠せません。
さすがに横上も冴路とベタベタしていたところをチヌに見られたのはマズいと考えたようで、言いふらしたりするなと釘を刺すために、彼女と親しい美蝶を呼び出しました。そんな横上を小心者だと内心で蔑みながらも、口調だけは丁寧さを保ったまま、美蝶は彼の要求をつっぱねます。
するとその途端聞き耳を立てていたらしい冴路が部屋へと入ってきて、イヤな予感がして逃げ出そうとした美蝶の身体をおさえつけたかと思うと、無理矢理、猿轡までかませてきたのです。
さらに両手まで縛られて身動きがとれなくなってしまった美蝶に向かって、冴路は、以前働いていた見世で「見せしめ」として女郎たちの前で輪姦されたことがあるという己の過去を語りました。そして、美蝶も同じ目にあえば良いと言い、仄暗い微笑みを浮かべるのでした。
声なきものの唄 111話 感想・考察
111話は、横上と冴路によって美蝶がピンチに陥ってしまうという、非常に続きが気になる状況で終わりました。このまま美蝶は冴路の狙い通りに見せ物にされてしまうのでしょうか、それとも誰かが助けに来てくれるのでしょうか。
個人的には、栄太がヒーローのように現れてくれるドラマティックな展開を期待してしまうのですが、さすがに近くで仕事をしているとはいえ、東陽楼内で起きている異変に気が付くのは難しいかもしれません。

美蝶が辛い想いをしないよう願うばかりです。安武わたる先生、いつも素敵なお話をありがとうございます。

次回ネタバレはこちら
↓↓↓
コメント