
「ひなせに死んでほしくない」——その一心で告白した高山しおり。りつの無条件の愛とは対照的な、正直に揺れる誠実な愛を考察しますね。
※この記事には『性別「モナリザ」の君へ。』各話のネタバレ(最終回・外伝含む)が含まれます。
©吉村旋/スクウェア・エニックス
『性別「モナリザ」の君へ。』(吉村旋・スクウェア・エニックス・全10巻完結)のヒロインの一人、高山しおり。本記事では、「死んでほしくない」という告白の動機、子供用トイレで庇った恋のきっかけ、水族館での正直な告白、そして白銀あおいとの友情まで、しおりというキャラクターを丁寧に考察します。
考察の前に。『性別「モナリザ」の君へ。』をお得に読み始めるなら、U-NEXTの31日間無料トライアル(登録で600円分ポイント)がイチオシです。
高山しおりとはどんなキャラクター?
『性別「モナリザ」の君へ。』のヒロインの一人、高山しおり。主人公ひなせの幼馴染で、物静かで思慮深い男子です。
絵が得意で美大を志し(のちに公務員の道を選び、絵は趣味として続ける)、兄は無性別科の医師・あずさ。明るく行動的なりつとは対照的に、しおりは内省的で、言葉を選びながら自分の気持ちと向き合うタイプです。
そんなしおりの恋は——「ひなせに死んでほしくない」という切実な願いから始まりました。
高山しおり — ひなせの幼馴染 / 男子 / 美大志望→公務員・絵は趣味で継続
物静かで思慮深いひなせの幼馴染。兄は無性別科の医師あずさ。「無性別者は20歳を超えて生きられない」と知り、ひなせの命を守りたい一心で告白する。りつの無条件の愛とは対照的に、自分の気持ちの揺れに正直に向き合う誠実さを持つ。
恋のきっかけ——子供用トイレで庇った日(16話)
しおりとひなせの関係の原点が、16話で描かれる中学時代の回想です。
性別が変わらないひなせは、男子トイレでも女子トイレでもなく多目的の子供用トイレを使っていました。そのことで悪目立ちし、クラスメイトの男子たちにからかわれていたひなせ。そこに現れたのが、しおりでした。
しおりはクラスメイトを軽くいなし、自分も同じ子供用トイレに入ります。プライドを傷つけられたクラスメイトは、性別が変わっているのに子供用トイレに入るしおりのことも悪く言いますが、しおりは構いませんでした。
ひなせは、お礼と——しおりまで悪く言われることへの謝罪を伝えます。そしてしおりに性別のおすすめを尋ねると、しおりは少しふざけて「女」と答えた後、ふと「やりたいことで決めてもいいと思う」と伝えるのでした。この言葉が、ひなせがしおりに心を開く起点になります。
「死んでほしくない」——告白の本当の動機(6話)
しおりがひなせに告白した理由は、純粋な恋心だけではありませんでした。
6話、しおりは兄あずさの部屋から漏れ聞こえる電話の内容を偶然耳にします——「無性別の身体のまま20歳を超えて生きた者は、未だに存在しない」。
いてもたってもいられなくなったしおりは、ダメもとでひなせに告白し、「女にする」とまで言ってしまいます。それは、自分のことを好きかどうかは置いておいて、ひなせに性別を持たせ、生きていてほしかったから——
自分のことを好きかどうかは置いておいて、性別をはっきりさせたかった。
しおりの願いは、ただ「ひなせに死んでほしくない」——
それだけだったのです。— しおりの告白の動機(6話・趣意)
実際、しおりの告白の後、ひなせのホルモン値に初めて変化が現れます。しおりの想いが、ひなせの身体を動かしたのです。ただし同じ日にりつも告白しており、しおりは「りつに悪いことをした」と思い悩むことになります。
正直な揺れ——「同じ気持ちとは言えない」(39話)
しおりというキャラクターを最も深く描くのが、39話の水族館シーンです。
しおりはひなせに、自分の告白の動機を正直に打ち明けます——「告白したのは、ひなせの身体のことを知ったから。ホルモンバランスが傾けばと思ったのも事実だ」。
さらにしおりは、自分の気持ちの揺れも隠しません。「ひなせが男になったら、今の好きな気持ちのままでいられるのか不安だ」「ひなせがどっちの性別になっても同じ気持ちだとは言えない」——
しかし、その上でしおりは言い切ります。「でも、ずっとひなせが好きなことは嘘じゃない」。
この告白は、りつの「性別がどうであっても好き」という無条件の愛とは対照的です。しおりは、自分の心の不確かさすら正直に差し出すことで、嘘のない誠実な愛を示したのです。
白銀あおいとの友情——もう一つの「揺れ」の物語(30〜31話)
しおりを語るうえで、白銀あおいとの関係も見逃せません。
白銀もまた、友情と愛情の境界に悩む人物です。31話、しおりは踏切で白銀を救い、二人は「友情と愛情はどう違うのか」「ヤバいやつになる一線はどこか」を語り合います。
かつてのしおりは「友情と愛情は違う」と思っていましたが、今は「人それぞれで、友情の延長に愛情がある人もいる。どの考えも間違いではないし正解もない」と考えるようになっていました。
この価値観の変化が、ひなせの「ふたまた」という答えを受け止める土壌になっていることがうかがえます。しおりは、自分自身も悩みながら、答えのない問いに誠実に向き合うキャラクターなのです。
高山しおりというキャラクターの核
- 「死んでほしくない」という愛:恋心より先に「ひなせを生かしたい」一心で告白した、命がけの想い。
- 恋のきっかけは「庇った日」:子供用トイレで一緒にからかわれることを選んだ16話が、二人の絆の原点。
- 正直な揺れ:「どっちの性別でも同じ気持ちとは言えない」と不確かさすら差し出す誠実さ。
- 「やりたいことで決めてもいい」:性別ではなく生き方で選んでいいという助言が、ひなせの将来の夢の源流に。
- 白銀との友情と価値観の変化:「友情と愛情に正解はない」と考えるようになった成長が、ひなせを受け止める。
しおりの「揺れる誠実さ」が照らすもの(考察)
しおりとりつは、ひなせをめぐる対照的な2つの愛を体現しています。
りつは「性別がどうであっても好き」と無条件に言い切る。しおりは「どっちの性別でも同じ気持ちとは言えない」と正直に揺れる。一見すると、りつの愛のほうが強く見えるかもしれません。しかし、しおりの「揺れ」は、決して愛が弱いことを意味しません。
しおりは、自分の心が確信を持てない部分すら、嘘をつかずに差し出しました。それは、ひなせを一人の人間として真剣に見ているからこそできることです。性別が変わればひなせの見え方も変わるかもしれない——その正直な不安を抱えながら、それでも「好きなことは嘘じゃない」と言い切る。これもまた、紛れもない本物の愛です。
外伝のYルートでは、男性になったひなせがしおりと同居し、養護教諭として歩む姿が描かれます。「死んでほしくない」と願ったしおりの恋が、ひなせの命と未来を見届けるところまでたどり着く——その結末は、しおりの誠実さへの、静かで温かい報いなのです。
あわせて読みたい関連記事
- 【完全保存版】全話ネタバレ+結末解説+登場人物まとめ
全47話のリンク表・外伝ルート解説・FAQはこちら。 - ひなせ徹底考察|無性別者の主人公が見つけた「特別に好き」の答え
しおりが想いを寄せる主人公・ひなせの考察。 - 加賀りつ徹底考察|「性別がどうであっても好き」無条件の愛
しおりと対照的な、もう一人のヒロインの考察。 - 16話ネタバレ|しおりがひなせに恋したきっかけ
子供用トイレで庇った、二人の絆の原点。
よくある質問(FAQ)
Q. しおりはなぜひなせに告白したのですか?
A. 兄あずさの電話で「無性別者は20歳を超えて生きられない」と知り、ひなせに性別を持たせて生きていてほしい一心で告白しました(6話)。「女にする」とまで言ったのは、恋心以上に「死んでほしくない」という願いからでした。
Q. しおりとりつの愛の違いは?
A. りつが「性別がどうであっても好き」と無条件に言い切るのに対し、しおりは「どっちの性別でも同じ気持ちとは言えない」という正直な揺れを抱えています。しおりは自分の心の不確かさすら隠さない誠実さが特徴です。
Q. しおりはひなせと結ばれますか?
A. 本編では恋の結論は明示されませんが、外伝Yルートで男性になったひなせとしおりが同居する物語が描かれます。しおりが養護教諭となったひなせを支える姿が描かれます。
『性別「モナリザ」の君へ。』を全巻お得に読む方法
しおりとひなせの物語を最初から全10巻で追いたい方へ。お得に読める3つの方法を紹介します。
① U-NEXT(イチオシ):31日間無料トライアルの登録で600円分ポイント。実質無料で読み始められます。
② DMM Books:初回90%OFFクーポン(上限2,000円OFF)。全10巻のまとめ買いにも対応。
③ Amazon Kindle Unlimited:月額980円の読み放題。初回30日間無料です。

「どっちの性別でも同じ気持ちとは言えない、でも好きなことは嘘じゃない」——この正直さが、しおりの一番の魅力だと思います。ひなせ・りつの考察もぜひ合わせてどうぞ。






コメント