今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」119話を読んだので紹介します。

この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
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声なきものの唄 119話 あらすじ
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十蔵たちは、チヌを精神的に追い詰めるために、彼女に関する不名誉なウワサを広めたり、夜道で尾行したりと様々なイヤがらせをしました。
しかしチヌは知恵を働かせてこのピンチを乗り越えたのでした。
声なきものの唄 119話 ネタバレ
チヌの革新的な経営手法の評判が広まると、矢津遊廓で働く女郎たちの間で、東陽楼は「妓にゃ親切」というウワサが囁かれるようになりました。
その結果、他の見世の娼妓たちの中に、自身の待遇に不満を持ち、文句を言う者が現れはじめます。それどころか、厳しい扱いに耐えかね、見世を移りたいと東陽楼へ逃げ込む者まで出てきたのですから、東陽楼以外の見世の楼主たちがチヌの存在を煙たく思うのは無理からぬことと言えるでしょう。
しかもチヌは大地主である若水家の人間で、現在矢津遊廓を仕切っている黒川組の久米親分とも懇意にしています。そのため、たとえ五大奉行でも、面と向かって彼女を責め立てることができません。
それでもこのままチヌに好き勝手されては困ってしまう彼らがとったのは、以前矢津遊廓を牛耳っていた松井組の十蔵一派に頼るという方法でした。
実は松井組はかつて久米親分を引き立てた先代の竜兵親分から代替わりしており、十蔵は二代目を追い落として松井組を乗っとろうと画策していました。そうしてゆくゆくは黒川組に取って代わろうと目論んでいる十蔵にとって、今回五大奉行の楼主たちから持ち込まれた話はまさに渡りに船だったのです。
しかも十蔵は、辻堂真苗や早みどりの件など、なにかと東陽楼と因縁があるあの西海楼に出入りしていました。西海楼の楼主である道正もまた、西海楼を矢津一の見世に伸し上げるという野望を抱いており、矢津筆頭である東陽楼の主が小娘と侮るチヌに替わったこの機会を逃すまいと考えて、十蔵と手を組んだのでした。
こうして矢津遊廓へと乗り込んできた十蔵一派は、チヌと番頭の八木が男女の関係にあるだの、彼女は男漁りが目的で楼主になっただのと悪意に満ちたウワサを流したり、客として東陽楼の中まで入り込み、首を切り落とした小鳥の亡骸をチヌの目につくところへ置かせたりしました。
他にも彼らは東陽楼から若水邸まで俥で帰るチヌのあとをつけたりしていたのですが、ある晩とうとうその帰路の途中にワナを仕掛け、彼女の乗った俥を横転させるという強硬手段に出ます。
これまでのイヤがらせには耐えていたチヌでしたが、自身や俥夫がケガを負うという実害が生じてしまっては、これ以上黙っているわけにはいきません。
八木との不義密通のウワサについては、大勢の客が見ている前で小芝居を打つことで見事に払拭し、帰り道については、俥夫を3人に増やし、さらに俥に大量の提灯をつけて周囲を明るく照らすことで、安全を確保したのでした。
声なきものの唄 119話 感想・考察
119話の見どころは、十蔵一派によるイヤがらせを、チヌが機転を利かせて無力化してしまうシーンです。チヌは公三郎という心強い味方がいるにもかかわらず、なにか困ったことがあってもあまり彼を頼らないので、今回ものっぴきならない状況に追い込まれるまでガマンしてしまうのではないかと心配していた分、まるで漫才のようなやり取りで低俗なでっちあげを華麗に否定してみせたくだりは、非常に痛快でした。

また俥をお祭りの山車のようにピカピカさせるアイディアも、チヌの人柄の良さが伝わってきて、素敵な解決方法だと思いました。
安武わたる先生、いつも素敵なお話をありがとうございます。
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