今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~」115話を読んだので紹介します。

この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。
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声なきものの唄 115話 あらすじ
前話ネタバレはこちら
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声なきものの唄 115話 ネタバレ
大好きな母親が自分を置いて出かけてしまったことでヘソを曲げた新之介は、ナニィのもとから逃げ出し、若水邸の広大な庭で1人、しくしくと泣いていました。
すると、そんな新之介の前に、見知らぬ少年がどこからともなく現れます。
新之介よりも少し年かさに見えるその少年は、新之介に向かって
「どえれえ泣き虫やな、おんし」
と言い放ったかと思うと、すぐにその場から立ち去ってしまいました。達吉という名前らしい彼は塀に開いていた穴から勝手に忍び込んだようで、大人に見つかったらマズいと考えたのでしょう。
塀の外では3人の少年が達吉が戻ってくるのを待っており、どうやら度胸だめしの一環として侵入を試みたらしい達吉は、得意げな顔で彼らに声をかけました。
するとその中の1人から
「そいつだれなん?」
と尋ねられ、おおいに驚くハメになります。なんといつのまにか新之介が達吉のあとをついてきており、若水邸の敷地内から外へと出てしまっていたのです。
面倒見の良い性格なのか、新之介を放っておくことができなかった達吉は、皆でお寺の境内へと移動し、そこで新之介も交えて仲良く遊び始めました。おしくらまんじゅうや相撲など、初めて体験する遊びに新之介はすっかり夢中になります。
その一方で、若水邸では新之介がいなくなってしまったことに気付いた使用人たちが慌てふためいていました。
彼らはすぐさま新之介の両親である若水夫妻に連絡を取り、仕事中だったチヌも慌てて自宅へと戻ってきます。
そして、犯罪に巻き込まれた可能性を考えて顔色を悪くするチヌに向かい、女中頭の小河が警察への通報を提案しようとしたところで、達吉とその母に付き添われた新之介が元気な姿で帰ってきたのでした。
この一件によりチヌは、母親としての務めを充分に果たせていない現状に罪悪感を覚えてしまいます。
さらに、楼主になったことを理由に、上島夫人から推められて始めた茶道の先生から
「もう門人とは見なさん」
と顔を合わせることすら拒絶されたり、地元の名士夫人たちの集まりには今後一切出席するなと言われてしまったりと、チヌの心を削るような出来事が立て続けに起こったのです。
これにはさしものチヌも思わず
(うちゃ、そげん、悪いことしとるんやろか)
と胸の内でひとりごちます。しかしその後、東陽楼で働く浮舟という名の女郎と面談し、彼女が女郎屋へ売られた時の話を聞いたことに加えて
「うちゃもう廓から出とうねえ」
と語る彼女の虚ろな表情を目の当たりにしたことで、雇い主として妓たちを守る決意を改めて固めたのでした。
声なきものの唄 115話 感想・考察
115話では、新之介に初めてのお友達ができます。おそらくこれまでずっと自宅の敷地内で日々のほとんどを過ごしていたと思われる新之介の世界が一気に広がり、初めてのことに目を輝かせる様子はとても微笑ましく可愛らしいので、ぜひ読んでいただきたいです。

対してチヌは茶道の先生から破門されてしまったりと逆風が吹いているような状態でしたが、浮舟の事情を知って改めて腹をくくったようで、次回以降どんな立ち回りを見せてくれるのか、とても楽しみになりました。
安武わたる先生、いつも素敵なお話をありがとうございます。
次回ネタバレはこちら
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