声なきものの唄 74話ネタバレと感想。人目を忍ぶように栄太がチヌに会いに。その理由(ワケ)は

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今回は安武わたる先生の「声なきものの唄~瀬戸内の女郎小屋~74話を読んだので紹介します。

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この記事は高確率でネタバレを含みます。
物語の結末を知りたくない方はご注意くださいませ。

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声なきものの唄 74話 あらすじ

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その年最後の日、まるで人目を忍ぶように栄太がチヌに会いに来ました。
栄太の気持ちを受け入れていたにも拘わらず、結局公三郎を選んでしまったチヌは、泣きながら彼に謝ります。
しかし栄太はチヌが助かったことを喜び、笑顔のまま帰っていったのです__

声なきものの唄 74話 ネタバレ

徳次と久米親分との間で揺れ動いていた巴の複雑な恋模様に意外な形で決着がついた頃、チヌは久しぶりに栄太と顔を合わせていました。
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栄太がチヌに会いにきた・・

突然のことに驚きはしたものの、遥々会いに来てくれた彼を迷惑などと思うはずがありません。

チヌがとっさに栄太を室内へ招き入れるのを躊躇してしまったのは、女郎屋の客である後藤田の訪れに対し”たまき”があからさまに眉をひそめていたことが頭をよぎったからです。

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うむ・・。一緒にはいられない、と・・。

しかし、そんなチヌの様子を栄太はどう解釈したのでしょうか。

どこか苦しげな顔でチヌの手を取り彼女の無事を喜ぶ栄太に、チヌは思わず涙をこぼして謝罪の言葉を口にします。

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栄太・・泣

我が身を投げうって公三郎を守ろうとした己の行為は栄太に対する裏切りに他ならないことに、チヌはきちんと気が付いていたのです。
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・・・。

けれど栄太の態度は表面上いつもと変わらず、チヌの不実を責めるようなことは一切言いませんでした。
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いいやつすぎるよ・・栄太・・

ただしそれがいっそう罪悪感を刺激し、チヌの心を締めつけたのでした。
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おかげで栄太のことが気にかかって仕方なくなってしまったチヌは、それから数日後いてもたってもいられなくなり、彼に会うため1人で矢津へ帰ろうとします。

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今度はチヌが栄太に会いに・・!!

ですが俥で二時間もかかる道のりを、まだ本調子ではない体でなんの準備もなく徒歩で行こうなど、どう考えても無茶な話です。

案の定足を痛めた上、進むべき方向すら見失ったチヌが途方に暮れていると、さらには雲行きまで怪しくなってきてしまいました。
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あああ・・

そんな絶望的な状況に陥っていた彼女へ手を差し伸べたのは、ここ何日か留守にしていたはずの公三郎でした。

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えっ・・・!!!

どうやら彼はチヌが単身東陽楼へ向かったことを知り、慌てて後を追ってきてくれたようです。

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複雑な展開がきた・・

しかも公三郎は危ない真似をしたチヌを叱ることも、無理に連れ戻そうとすることもしませんでした。
それどころか、彼女を背負った状態で矢津を目指して歩き始めたのですから驚きです。

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なんと・・・。

恐縮しつつも公三郎に身を任せたチヌは、緊張と喜びでドキドキと胸を高鳴らせます。

公三郎が”たまき”のために美しい着物をいくつも仕立てる姿や、なにかにつけてチヌに学が無いことを指摘し女郎であることを蔑んでくるたまきの態度に、彼女の心は知らず知らずのうちに追い詰められていました。

けれどこうして公三郎の背に揺られ、伝わってくる彼の優しさと温もりを感じていると、もやもやとしていた気持ちは不思議と晴れていったのでした。


安心感と疲労のせいか、ほどなくしてチヌは眠ってしまいます。

そうして目を覚ました時には、戻りたいと切望していた東陽楼へいつの間にか到着していました。

ずいぶん長い間離れていたチヌにとって、その見世構えは懐かしささえ感じるもののはずです。

しかし現在彼女の目の前に広がっていたのは、旅装の栄太を皆で見送っているという、見慣れぬ光景だったのです。

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・・?!!!
栄太・・・?どこに・・・・?!

声なきものの唄 74話 感想・考察

74話では久しぶりにチヌと栄太が顔を合わせ、言葉を交わしました。

2人は、チヌが公三郎をかばって怪我を負ってしまうまでは、想いを通わせ合い、年季が明けたら共に生きていこうという約束までしていました。
つまり栄太はあっさり手のひらを返されてしまった形になりますが、にも拘わらずチヌの身を案じる姿が健気で、とても切ないシーンです。

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事件当時はまだ公三郎が早みどりに夢中だった点や、客観的には早みどりに逃げられたためにチヌのもとへ戻ってきたように見える点も、栄太にとっては複雑なのではないでしょうか。

次回ネタバレはこちら

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